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非破壊検査
この技術で実現したいこと
医療用の診断技術として発展してきたOCT技術を工業製品に適応するため、現場に対応できる汎用性を追求し、新しい光学方式のOCTシステムを独自に考案
独自の光学設計と検出器技術により、正確なラボ品質の高分解能撮像でタンクや配管等の大型試料へ直接アクセス(施工現場で計測)可能なシステムを実現しました。

実施例:コモンパス型OCTの特徴
OCTは光の干渉性を利用し、光の進行方向の距離を計測する技術です。測定対象に近赤外光を照射し、測定対象から散乱して戻ってくる光と、固定光路を通ってくる参照光とを合波することによって生成する干渉光信号を検出することで、奥行き方向の断層画像が取得できます。

実施例:測定現場と測定結果
樹脂ライニング設備への適応:耐食性、熱安定性に優れているためフッ素樹脂は、化学プロセス装置の耐食ライニング材料として最適な樹脂です。
しかし、非常に活性な酸性薬液、高温、高圧に晒されることで長期にわたる過酷環境下では、膨れ・剥離、クラック、溶接部におけるピンホールなどが発生するため、定期的な改修やメンテナンス作業が必要です。

OCTでは、従来の検査では検出が困難であった塗膜下の母材、埋もれた界面や接合部を可視化できます。
内部微細構造のデータ化により、検査員のスキル・感性に頼ることなく検査が可能です。画像データは経年劣化の診断システムとして活用でき、設備の計画的補修・更新に貢献します。
実施例:試作機の仕様、適応範囲・用途、今後の展望

波長、画像分解能、取得速度を任意に選択することができ、さまざまな用途に最適化できる高度なモジュール設計により、現場環境とデータの用途に合わせて、特殊なニーズや要求に対応したイメージング機能を増強することも可能です。OCTは抗伝搬現象と材料のもつ物理的性質を基とした画像化技術であるため、情報真相学習分野との親和性が高いと言えます。
さらに利活用の範囲を広げるべく、AIのサポートを導入した新しい非破壊ソリューションとして変革をもたらす開発を進めています。